家族葬コラム

家族葬のひびきが葬儀マナーから雑学、豆知識、葬儀に関する疑問の解決策まで様々な内容をお届けします。

作成日2018.07.25

カテゴリー直葬

直葬(火葬のみ)は法律的に問題がないのか?

世界的は様々な葬儀の方法があり、アメリカなどでは土葬(遺体をそのまま埋葬する)が一般的です。映画などでも葬儀参列者に見守られながら、棺が土中に埋められるシーンはよく見るのではないでしょうか。

日本では火葬の割合が99%となっていますが、自分らしさを求める葬儀の多様化の中で「日本では土葬が行えないの?」といった声を時折耳にすることがあります。実は、土葬は法律で禁止されているわけではないのですが、条例で禁止されていたり、墓地を経営する団体がルール上許可していないといった事情から、事実上実行するのが難しいものとなっているので、結果として火葬の方が大多数を占めることになります。

今回は改めて葬儀に関する法律をまとめて解説し、「直葬が法律的に問題ないのか」「直葬は格安なので怪しい感じがする」といった疑念を払拭できればと思っています。

葬儀の法律は「埋葬法」で定められています

日本では火葬や埋葬の法律は「埋葬法」、正式名称は「墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)」で定められています。
埋葬法では次の3点が重要ポイントとなります。

  • 埋葬・火葬はすぐできない(第3条)
  • 埋葬・火葬は場所が決まっている(第4条)
  • 埋葬・火葬は行政機関による許可が必要(第5条・第8条・16条2項)

埋葬・火葬はすぐできない(第3条)

埋葬法の第3条では、
「埋葬又は火葬は、他の法令に別段の定があるものを除く外、死亡又は死産後24時間を経過した後でなければ、これを行つてはならない。但し、妊娠7か月に満たない死産のときは、この限りでない。」
と記載があります。

例えば前日の夜中に病院もしくは自宅でご臨終を迎えた後、次の日中に埋葬や火葬を行うことはできません。そのため、亡くなった後すぐに火葬場へと搬送することはできないため、葬儀社へ連絡を取り、遺体をご自宅もしくは所定の安置場所まで搬送する必要があるのです。

保管期限は特に定められていませんが、長期に渡り放置しておくと「死体遺棄」となってしまいますので、数日〜数週間の間に火葬されるのが一般的です。

埋葬・火葬は場所が決まっている(第4条)

埋葬法の第4条では、
「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。
2 火葬は、火葬場以外の施設でこれを行つてはならない。」
と記載があります。

自宅の庭にお墓を建てたいと考える方も多いのですが、墓地でなくてはならないのです。また墓地経営には都道府県の許可が必要であり、また地方公共団体・宗教法人・公益法人でなくてはならないため、個人では許可されません。

ただし、遺骨を骨壷に納めている場合は埋蔵ではないため、問題ありません。どうしても自宅でお墓のように供養したいという方には骨壷を収蔵できる「ご供養家具」などがあります。

埋葬・火葬は行政機関による許可が必要(第5条・第8条・16条2項)

第5条
「埋葬、火葬又は改葬を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)の許可を受けなければならない。」

第8条
「市町村長が、第5条の規定により、埋葬、改葬又は火葬の許可を与えるときは、埋葬許可証、改葬許可証又は火葬許可証を交付しなければならない。」

第16条2項
「火葬場の管理者が火葬を行つたときは、火葬許可証に、省令の定める事項を記入し、火葬を求めた者に返さなければならない。」

と記載があるように、埋葬、火葬前には行政機関に出向いて許可証をもらう必要があります。この許可証を申請するのは家族や親族といった血縁関係でなくても良いため、葬儀社が手続きを代行することが多いです。

直葬は法律上問題ありません

埋葬法で定められているのは、埋葬・火葬に関してのことであり、葬儀方法には取り決めがありません。

また直葬で簡略化しているのは葬儀のみですので、ご臨終から火葬までの手続きは通常の葬儀と同じく埋葬法にのっとって行われます。そのため、特別な行政手続きは不要です。

直葬のときはご遺体の安置に注意

直葬の場合に埋葬法上で気をつけなくてはならないのが「埋葬・火葬はすぐできない(第3条)」となります。

直葬を選択する方の中には、家族や親族といった血縁関係の方が遠方に住まわれていて時間が取れないケースもありますが、ご臨終を迎えてから24時間は火葬は行えないため、一度どこかでご遺体を安置する必要があります。

病院で亡くなった場合は、病室から霊安室へと移動しますが、病院もスペースに余裕があるわけではないため、数時間しか置いてもらえないこともあります。

住まいが病院から遠方である場合は葬儀社などの遺体安置室や保冷庫に依頼せざるをえません。この場合、遺体安置料が発生します。

遺体安置料は、施設や保管方法で異なりますが、いずれにせよ日数が増えるごとに追加料金が発生します。
火葬に立ち会うことを希望する場合、年末年始など都合がつきにくいタイミングには数日間安置を行う必要があるかもしれません。葬儀一式のパック料金の場合は1日分の遺体安置料であるケースが多いため、長期間に渡って遺体の安置をお願いした結果、直葬が思ったより高額になってしまうことにもつながります。

直葬のパック料金は一般の葬儀に比べてとてもリーズナブルですが、遺体安置料は別途発生しますので、事前に葬儀社に確認することが重要です。