お葬式コラム

2019.02.24

なぜ自宅安置が選ばれるのか | 具体的な方法や葬儀前の心構えを解説

火葬式

従来であれば、葬祭場などにご遺体を安置することが多く見られましたが、昨今では、自宅安置によるお別れを希望する遺族や故人が増えつつあります。

自宅安置は、メリットがいろいろありますが、その一方で自宅安置ならではの対応などがあるため、遺族はそれを心得て置く必要があります。

こちらでは、自宅安置の具体的な方法や確認すること、全体の流れについて解説します。

 

自宅安置で行う葬儀とは?

「安置」とは、息を引き取られてから納棺までご遺体を置いておくことを言います。

病院などの霊安室には長く置いてもらえませんので、亡くなるとすぐに移動が必要です。

安置するのは、自宅や葬祭場の安置所などが通常ですが、安置場所によって遺族がやるべきことが違いますので、ご家庭の事情などを鑑みて安置場所について検討しておくとよいでしょう。

自宅でご遺体を安置することを自宅安置といい、自宅安置のあと、葬儀社に移動したり、自宅でそのまま葬儀を執り行います。

お通夜や葬儀を執り行わないのであれば、法律で定められた死後24時間を自宅で安置したあと、直接火葬場に運んで荼毘に付す直葬・火葬式という方法があります。

 

なぜ自宅安置が選ばれるのか

自宅安置のメリットは、葬儀までの時間を故人と過ごすことができる点です。故人や遺族の意向で、住み慣れた自宅で最後のときを過ごさせてあげたいとする場合もあるでしょう。

ご遺体の安置場所は遺族が選ぶことができますが、安置場所によっては葬儀まで故人に会えないこともあり、それが残念だったとのお声を聞くことがあります。

自宅安置であればそのような悔いを残すことなく、故人をお送りすることができます。

 

自宅安置で知っておきたいこと | メリットとデメリット

自宅安置には、良い面とその反対もあります。

自宅安置を行うときのメリット・デメリットについて確認しておきます。

 

自宅安置のメリット

自宅安置の最大のメリットは、故人とご家族や弔問に訪れた方がゆっくりと時間を過ごせるという点です。

葬祭場の安置施設であれば、面会時間に制限があるケースがあり、慌ただしくなってしまうことがあります。

また、病院や施設などで亡くなったのであれば、いったん自宅に帰って、最後のときを住み慣れた我が家で過ごさせてあげることができるのも自宅安置ならではの良い点です。

自宅ですので、遺族は自分たちの手で線香やろうそくの火を絶やさないよう見守ることができます。

また、実質的な点でいうと、自宅安置であれば霊安室の使用料や付き添い費用がかからないというのもメリットでしょう。

 

自宅安置のデメリット

自宅安置の大変な点はまずご遺体の搬入経路です。

一戸建てであれば通常は問題ありませんが、マンションなど集合住宅の場合は、共用入り口やエレベーターの使用について管理者に知らせて確認する必要があります。

また、安置する部屋の準備や、しつらえなどは特別の知識が必要です。

それらについて短時間で調べて準備しなければならず、慌ただしい中で何かと煩雑になるでしょう。

ご遺体の管理については、適切にドライアイスを交換するなどして常に状態に気を配らなければなりません。

ご事情によって、あまり公にしたくないというケースであれば、搬入などは目に付きますので自宅安置は、望ましくないかもしれません。

 

自宅安置の具体的な方法と準備

ご遺体を自宅で安置するためにあらかじめ準備することがあります。

自宅安置の具体的な方法と、遺族が準備することについてみていきます。

 

搬入経路と安置スペース

まず、ご遺体を安置するスペースを確保しましょう。

通常は仏間になりますが、仏間がない場合は、畳のある部屋が望ましいとされます。

もしご自宅に洋間しかないのであれば、リビングや故人が使っていたベッドなどでも構いません。

そして、ご遺体の状態を保つためにエアコンのある部屋が良いでしょう。

また、搬入経路ですが戸建て住宅であれば特に問題はありません。

マンション・集合住宅の場合は、出入り口やエレベーターがご遺体用のストレッチャーに対応していないことや、通常とはちがう入り口やエレベーターが準備されていることがあります。

自宅安置については、事前に管理側に確認して準備してください。

 

ご遺体安置に必要なものを準備

自宅安置に必要なものは次の通りです。

布団

白色で統一します。普段利用しているものでも構いませんが、新しいものが望ましいでしょう。

ご遺体の頭部が北もしくは西を向くよう設置し、掛け布団は頭、足部分が逆になるよう準備してください。

 

数珠・守り刀

ご遺体に持たせる数珠は、故人が使っていたものがあればそれを用意します。

ご遺体安置後、布団の上に置く守り刀は、木製のものを用意し刃先がご遺体の足下を向くよう胸元に置きます。

 

枕飾り・枕屏風

枕飾りは葬儀社のプランに入っていることがあります。

また、枕屏風があれば逆屏風にして立てます。

 

枕飯・枕団子

生前使用していたお茶碗にご飯を山盛りにして、お箸を真ん中にたてます。

枕団子は6個作って小さな器に供えます。コップや湯飲みにお茶または水をいれて準備してください。

 

線香

線香をあげる準備をしますが、葬儀社が準備してくれることがあります。

 

お花

お花があった方がよいのであれば、枕元におくお花を準備してください。

 

ドライアイス

ご遺体の状態保存のため、必要に応じてドライアイスを準備しましょう。

葬儀社が対応してくれることがありますので、事前に確認してください。

 

神棚封じ

自宅に神棚がある場合は、神棚に穢れが及ばないよう「神棚封じ」をします。

神棚の扉を閉じて、白い布や半紙で封印し、忌明けまでそのままにしておきましょう。

神棚封じは遺族以外が行う必要がありますので、親族や葬儀社のスタッフにお願いしてください。

 

末期の水

故人の喉を潤し、感謝を伝えるために末期の水という慣習があります。

亡くなる直前に行うのが正式ですが、現在では自宅安置されたときに行うのが一般的です。

小皿などにいれた水を脱脂綿やガーゼに含ませて、故人の唇に丁寧に当てます。

地域や宗教によって、方法が異なりますので、不安であれば葬儀社にサポートしてもらうと安心です。

 

自宅安置の期間は1日以上

亡くなってから24時間経過してから火葬することが法律で定められていますので、ご自宅での安置期間は1日以上となります。

事情によっては、葬儀や火葬がすぐにできないことがあり、その場合は2~3日程度安置することになります。

ご遺体の状態を守るため、4日以上安置するなら霊安室への移動が望ましいでしょう。

 

自宅安置から荼毘(だび)に付すまでの流れ

亡くなってから、自宅安置を経て荼毘(だび)に付すまで、火葬式の場合の流れを具体的にみていきます。

ご臨終からお迎え

依頼予定の葬儀社に連絡します。亡くなった方の氏名と、お迎え先、手配いただく方の連絡先とお名前をお知らせください。

病院などお亡くなりになられた場所に葬儀社の寝台車がお迎えに伺います。

 

ご安置から納棺

ご自宅にお送りして、ご遺体を安置します。

納棺はスタッフが行いますが、納棺師による納棺をご希望の場合は別途費用がかかります。

法律によりご逝去後、24時間以上経過してから火葬となりますのでご留意ください。

 

出棺

ご遺体を火葬場に移動します。

預かり安置であれば、ご遺族とは火葬場で待ち合わせとなります。

付き添い安置の場合、遺族はご寝台霊柩車と一緒に移動します。

 

火葬

指定の火葬場で火葬します。その後、収骨を行います。

 

自宅安置を検討するなら事前に確認しておいた方がいいこと

ご遺体の安置場所を自宅と決めたならいくつか確認しておくことがあります。

自宅安置を決めるときに知っておきたいことについてみていきます。

搬送について

亡くなった場所から安置場所までの搬送は、一般に葬儀社で手配が可能です。

葬儀を葬儀社で行うかつ、近距離の移動であれば、搬送を葬儀費用に含めたプランなどもありますが、移動が長距離になる場合は手続きや別途搬送費がかかることが通常です。

葬儀社によっては、ご遺体の搬送のみでも受付していることがありますので問い合わせてみましょう。

お葬式のひびきに問い合わせる

 

葬儀社の対応範囲について

葬儀の一式を葬儀社に任せるのであれば問題ありませんが、一部のみを葬儀社に依頼する場合はその対応範囲について確認しておく必要があります。

また、自宅安置による火葬式については、取り扱いのない葬儀社もありますので、注意してください。

 

安置施設の利用も検討を

自宅安置を希望していたが、住宅事情など諸事情によって叶わない場合や、安置期間が思うより長くかかるなどの場合は、安置施設を利用することができます。

安置施設とは、ご遺体の安置と面会だけに対応した施設で、ご遺体のホテルのようなイメージです。

火葬式や家族葬までの期間の安置場所として対応していますので、必要があればご確認ください。

 

まとめ

自宅安置の具体的な方法と流れについて解説しました。

故人と遺族が自宅でゆっくり過ごせることから自宅安置を選ぶことが増えています。ただし、自宅安置ならではの注意点や、煩雑な点があるため、いざとなると慌ててしまうこともあるでしょう。

自宅安置を希望するのであれば、事前に対応できる葬儀社を探し相談しておくのが安心です。

穏やかに悔いのないお別れができるよう、できる準備をしておくことをお勧めします。

 

自宅安置による火葬式はお葬式のひびきにご相談ください

お葬式のひびきでは、故人や遺族の希望に合わせたさまざまな形でのご葬儀をご準備しております。自宅安置を経ての一般葬儀、自宅安置からの火葬式などご相談下さい。

事前のご相談も承っておりますので、わからない点を含めてご相談くだされば、真心をこめてお伺いします。

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