近年では特定の宗教にとらわれない無宗教の葬儀を行う方が増えてきました。
故人の想いを尊重した自由な葬儀ができるとして、好きな曲を流したり生演奏をしたり、思い出のビデオを流す方もいらっしゃいます。
そんな無宗教葬儀の仕方やマナーについて丁寧に解説していきます。
お急ぎの方、無宗教葬儀を検討されている方はいつでもお気軽にお問い合わせください。
無宗教葬儀とは
無宗教の葬儀(自由葬)とは、各宗教の葬儀ルールや慣習にとらわれずに、故人の希望に沿い自由な形での葬儀を行うことを言います。
「信仰している宗教がない」、「自分の理想の葬儀を行いたい」という方に選ばれています。
無宗教葬儀の例
- 故人が好きだった音楽を会場で流す
- 生演奏や合唱をする
- 家族が撮っていた映像や動画を流しの思い出を語りあう
- 故人の思い出の品をお別れ会形式の場に展示する
この他にも親しかった友人の挨拶などを行う方もいます。
何を葬儀に盛り込んでいくか、自由に行うことができますので、宗教の概念や思想に基づいた形式だけにとらわれる必要はありません。
故人の希望や想いに沿って送りたいという方におすすめの形式です。
無宗教葬儀の費用
葬儀の一般的な費用相場は200万円程度です。
この費用には次のような内訳になるのが一般的です。
- 葬儀費用:100万円
- 返礼品費:35万円
- 飲食接待費:35万円
- 寺院費用:30万円
一般的な葬儀ではこのような内訳になりますが、無宗教で家族葬をする場合、費用の相場というものはありません。
僧侶を呼ばないのであれば、その分の費用は削減できます。逆に、故人の想いを尊重した盛大な演出をする場合は、一般的な葬儀よりも高額になるかもしれません。
以下に参考として一般的な葬儀の費用内訳を掲載しますので、参考にしてください。
葬儀費用
葬儀費用にかかる具体的な項目は次の通りです。
- 祭壇・棺・遺影などにかかる費用
- 人件費
- 寝台車・霊柩車の車両費
- 式場使用料
- 火葬場使用料
返礼品費
返礼品費は、参列者への会葬御礼品や香典返しにかかるお金です。
会葬御礼品や香典返しにかかる具体的な費用は次の通りです。
- 会葬御礼品:1,000円程度
- 香典返し:3,000円~5,000円程度
飲食接待費
飲食接待費はお葬式の間の飲食にかかる費用で、内訳は次の通りです。
- 通夜ぶるまい(3,000円程度)×人数分
- 精進落とし(5,000円程度)×人数分
- 飲料代
- 火葬中の飲食代(おつまみや飲料)
寺院費用
お葬式にお坊さんを呼ぶ場合は、お礼として支払うお金がかかります。無宗教葬儀の場合はこちらは削減できるかと思います。
内訳は次の通りです。
- お布施(読経や戒名授与に対するお礼)
- お食事代・お車代(5,000円~10,000円程度)
無宗教の家族葬の服装
一般的な葬儀では正喪服や準喪服を着用します。無宗教の家族葬の場合は、決まりはありません。
故人の想いを尊重して、喪服ではなく自由な服装で葬儀を行うことも可能です。こだわりや指定がない場合は、喪服で行うことをおすすめします。
以下では一般的な葬儀の服装を掲載しますので、参考にしてください。
男性の場合
男性の場合は、モーニングコートや紋付羽織袴(もんつきはおりはかま)もしくは準喪服である無地のブラックスーツを着用します。
- モーニングコートや紋付羽織袴(もんつきはおりはかま)
- 無地のブラックスーツ
無地のブラックスーツの場合は、ワイシャツは無地の白、ネクタイ・靴下・靴は黒にしましょう。光沢がなく、デザイン性のないシンプルなものを選ぶのがポイント
女性の場合
洋装
- フォーマルな黒のスーツ、ワンピース、アンサンブルを着用
- バッグ・ストッキング・靴は黒色
- アクセサリー:結婚指輪のみが好ましい(身に着ける場合は真珠の一連ネックレスやイヤリング)
和装
- 黒無地に染め抜き五つ紋付の着物を着用
- 半襟(はんえり)・長襦袢(ながじゅばん)・足袋は白
- 帯・帯揚げ・帯締め・草履・バッグは黒
子供の場合
子供の場合は制服を着用します。
制服がない場合は、黒を基調とした地味な服装にしましょう。
無宗教の家族葬のマナー
焼香ではなく献花
無宗教の葬儀では焼香ではなく献花を行うことが一般的です。
献花とは
別れの意味を花に込めて祭壇に供えることを言います。物式の焼香と同じような意味合いを持ちます。
献花の作法
- 遺族に一礼
- 両手で花を受け取る(このとき右手が花側、左手が茎側になるように持ちます)
- 祭壇に一礼
- 献花台に花を置く(このとき茎側が祭壇に向くように置く)
- 一礼し黙祷
- 遺族に一礼
お香典の表書き
無宗教葬儀の場合、お香典の表書きには次のように書くといいでしょう。
- 御霊前
- お花料
御霊前の場合、香典袋に蓮の絵柄が入ったものは避けるようにしましょう。蓮の花は仏教のイメージが強くあります。
無宗教の家族葬の流れ
1.搬送・安置・火葬
ご家族や友人が亡くなった場合、ご遺体をご安置所まで搬送する必要があります。それは一般葬も無宗教葬も同じです。
病院で亡くなった故人は速やかに病院から葬儀を依頼する葬儀会社に安置所までご遺体を運ぶよう指示されます。
安置所では、故人が好きだった食べ物をお供えしたり、好きだった音楽を流したり、宗教にとらわれない形式を行なえます。
2.通夜
一般的な通夜では僧侶による読経やご焼香がありますが、無宗教葬は儀礼・儀式にとらわれる必要はありません。
故人が好きだった食事に変えてみるなどのご提案があれば、対応できる葬儀会社であれば相談に応じていただけます。担当者に事前にご相談しましょう。
通夜でも、故人らしい葬儀にできるのが無宗教の葬儀です。
場合によっては通夜を行なわず、葬儀のみにすることもできます。
3.葬儀・告別式
無宗教葬は、決まった流れがありませんので、より故人を温かくお見送りすることに重きを置くとよいでしょう。
故人が好きだった音楽を流したり、故人のご友人の挨拶、思い出を偲ぶ映像を流したりなど様々です。
無宗教の家族葬のその後
一般的な葬儀(仏式)では、葬儀後に初七日や四十九日の法事、一周忌や三周忌などがあり、読経や焼香を行ないますが、無宗教葬はこういった風習にもこだわる必要はありません。
無宗教葬の葬儀後は、何も行なわないという選択肢としてありますが、故人を偲ぶ食事会を行なったりしてもよいでしょう。
たとえ、無宗教葬であろうと、葬儀のあとにも故人のことを思い出すような機会をつくることも故人を大事にする、故人を大切に思っていた方々を大事するという点でも大切な心遣いです。
無宗教葬儀の注意点
無宗教葬においては、一般的な仏式葬などとは違った自由な形式で葬儀が行われます。
もし、無宗教葬に参列する機会があった場合、遺族や故人の考えを尊重し、それぞれの葬儀に合わせて対応することが大切です。
例えば、式の中で「故人が好きだった歌を全員で歌う」ということも無宗教葬なら可能であり、多く取り入れられています。
この時遺族は「故人がお世話になった皆様で、歌を歌い、温かい空気で故人との最期のお別れをしたい」と考えてのプログラムです。
その際に心がけることは、遺族や故人の想いに寄り添おうとする心遣いです。遺族とともに、場を温かくできるよう気配りすることも、参列者の役割でもあります。
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