一般的に葬儀に参列する場合は香典を持参します。
香典は立場や年齢によって包む金額が異なり、また昨今では香典を辞退する遺族も増えているため、親族の葬儀ではその対応に迷われることがあるかもしれません。
こちらのページでは、親族として葬儀に参列する際の香典の考え方について解説しています。
香典を受ける側の考え方についても触れていますので、ご参考になさってください。
親族への香典の考え方
葬儀での香典は、葬儀にかかる費用を助けるという目的や、故人や遺族にお世話になったお礼の気持ちなどからお渡しするものです。
親族の葬儀の場合、小さなお子さんがいる、経済的にラクではない状況といった遺族の家庭事情を理解しているケース。
葬儀を執り行うのが近い親族で、費用の一部を負担したいなど、心情が関係しますのでそれを踏まえて香典を準備するという考え方がひとつです。
また、親族ではあってもまったく付き合いがないなどであれば、儀礼的な金額をお渡ししても良いでしょう。
いずれにしても、故人や遺族との関係性を考慮しつつ失礼のない対応を心がけてください。
同居家族でも別世帯の場合は香典が必要
香典は葬儀費用を負担する人以外の人が準備するものです。
同居の家族であれば喪主以外であっても、基本的には香典は不要です。
ただし、同居であっても世帯が別であるなど家計がちがうのであれば、一般的には香典を準備しましょう。
同居の家族で、喪主などから香典辞退を受けた場合は、遺族として葬儀会場での雑用などの役割を積極的に引き受けるなどで対応するのが望ましいです。
年齢別葬儀での親族の香典相場
親族の葬儀でお渡しする香典は、基本的には年齢による相場と故人や遺族との関係性で考えれば問題ありません。
年代別の香典額の相場を故人との続柄ごとに見ていきます。
なお、こちらで提示している相場額には幅を持たせていますが、香典で偶数の金額を渡すのはマナー違反ですのでご注意ください。
20代
香典は社会的な立場や、収入に比例しますので、20代が準備すべき香典額は下記の通りです。
- 両親:30,000~50,000円
- 兄弟姉妹とその配偶者:30,000~50,000円
- 祖父母:10,000円
- 叔父・叔母・従兄弟など:5,000~10,000円
30代
30代での香典の相場をみていきます。こちらは義理の関係も同様と考えて問題ありません。
- 両親:50,000~100,000円
- 兄弟姉妹とその配偶者:50,000円~
- 祖父母:10,000~30,000円
- 叔父・叔母・従兄弟など:10,000~30,000円
40代以上
40代以降の香典の相場です。
- 両親:50,000~100,000円
- 兄弟姉妹とその配偶者:50,000円
- 祖父母:30,000~50,000円
- 叔父・叔母・従兄弟など:30,000円~
親族の葬儀で香典額を決めるときの考え方
香典にいくら包むかは、自身の年齢と故人との続柄でおおよそ相場があります。
ただし、相場はあくまでも基準です。続柄に関係なく、特に近しい間柄であったり、お世話になった相手であればそれを鑑みて金額を決めるのが相当です。
反対に、続柄としては遠くない間柄だったとしても、付き合いがないのであれば、失礼のない程度でお渡ししても良いでしょう。
また、親族の場合であれば香典にお供物や供花を合わせて贈るケースもみられます。
親族の葬儀での香典マナー
親族の葬儀においては、世間相場だけでなく故人や遺族との関係性を加味して決めるのが一般的です。
たとえば、両親の葬儀において喪主を自分の兄弟姉妹が務めるケースや、同居の兄弟姉妹が多くの葬儀費用を負担するケースであれば、それを一部負担分けする意味で香典を渡すなどがあります。
その場合は、相場より多めに渡すことになります。
また、近しい間柄やお世話になった相手であっても自身が学生であったりで経済基盤がないのであれば無理をする必要はありません。
一般的に親族の場合は、お互いの事情がわかっていますので、香典本来の相互扶助の考えでお渡しするのが望ましいでしょう。
一般葬で香典を辞退されている場合の対応
親族の葬儀が一般葬で執り行われて、香典辞退としているケースでも、親族についてはそれが必ずしも当てはまらないことがあります。
案内などに「香典辞退」と記されていても、一応は準備して持参するのが良いでしょう。
一般参列者に対して香典辞退としているケースでは、受付などで香典をお渡しするのではなく、人目につかないよう喪主様や近い遺族の方にお渡しします。
葬儀の場は、長話をする場面ではありませんので、相手の様子をみて上手に対応してください。
親族が香典を渡す必要がないケース
親族の葬儀だからといって必ず香典を渡すことはありません。香典を渡す必要がないケースについて解説します。
未成年
香典を持参すべき立場の親族であっても、未成年や学生の場合はそれが不要です。
それよりも、葬儀に参列することに意味がありますので、香典のことは考えずに故人とのお別れに心を向けてください。
葬儀費用を負担する場合
親族として葬儀費用を負担する場合は、別に香典を用意することはありません。
香典は一世帯単位でお渡しするものですので、世帯のうちの誰かがそれを負担しているなら、配偶者や子の立場でも同様です。
辞退された場合
通常の参列者に「香典辞退」の案内をしていたとしても、親族からの香典は受け取られることが多いようです。
ただし、中には関係性にかかわらず一切の香典を受けないとする意向の遺族もいらっしゃいますので、その場合は相手の意向に従うのがマナーです。
理由があってどうしてもお渡ししたい場合は、そのことを一言申し添えてお渡しすると、相手も受け取りやすくなります。
親族からの香典の香典返しについて
香典を受ける側の遺族としての対応ですが、親族からいただいた香典にも香典返しが必要です。
一般的に香典返しは、いただいた額の半分から3分の1程度のものを、品物でお渡しします。
しかし、親族からの香典は一般からいただくそれよりも高額なことがあり、また葬儀費用への扶助の意味合いが強いので、お返しする金額にこだわりすぎることはありません。
いただいた香典の3分の1~4分の1程度を目安にお返しすると良いでしょう。
また、いずれかのタイミングでこちらが香典をお渡しするときに、今回のことを考慮しておくのがマナーです。
親族からの香典を受け取らないときの対応
香典を受け取る側として親族からの香典を受け取らないと決めることがあります。
葬儀に関することは遺族や故人の遺志が優先ですから、それで問題はありません。
ただし、親族の中にはあらゆる事情でどうしても香典を渡したいと考えている人もいます。
そういったケースなどでは、遺族側の考えも大切ですが、それぞれの心情に配慮して柔軟に対応するのが望ましいでしょう。
家族葬での香典
最近では家族葬の形も増えています。
家族葬にも様々なケースがありますが、名前の通り親しい親族だけの規模を抑えたお葬式が一般的です。
家族葬における香典の考え方も一般葬のときと同様です。
遺族から香典を辞退する旨の申し出があった場合は、関係性や状況を見て臨機応変に対応してください。
親族が香典以外で弔意を表す方法
葬儀の香典を辞退されている場合、それ以外の方法で弔意を表すのもひとつです。
具体的には、弔電を送る。供花・供物を送るなど。
それらであれば、基本的に辞退されることはありませんが、念のため事前にご遺族に確認すると安心です。
安心・真心の家族葬はお葬式のひびきにご相談ください
お葬式のひびきでは、真心のこもったお葬式をご提案し、安心で穏やかなお見送りをしていただけるよう真摯に努めて参ります。
葬儀に関する細かな心配ごとについてもご相談くだされば、丁寧に対応いたします。
ご遺族様、参列いただく方が安心して穏やかに最後のときを過ごされますよう、全力でサポートいたします。
まとめ
親族の葬儀での香典について、取り扱いや考え方について解説しました。
香典は本来、大きな出費となる葬儀費用について相互扶助の意味があります。
また、故人や遺族にお世話になったことへの思いを伝えるものでもあります。
親族間での香典にも相場はありますが、それにとらわれずお相手との関係性や事情を考慮してお渡しするのが良いでしょう。
香典については、マナーに叶った取り扱いをしつつ、お互いの負担にならないよう配慮して考えることが大切です。