お葬式コラム

2022.06.27

家族葬の香典マナー│群馬県の新生活運動についても解説

家族葬

家族葬の場合、香典の扱いはどのようにすればいいのでしょうか。本記事では、家族葬と一般の葬儀との違いをはじめ、家族葬における香典マナーを紹介します。

  • 家族葬に参列していいの?
  • ご遺族が香典を辞退している場合はどうすればいい?
  • 葬儀が行われたことを後から知った場合の香典の渡し方は?
  • 故人の孫にあたる場合の香典の注意点

など、よくある疑問や注意点についてもお伝えします。

そもそも家族葬とは

家族葬は、家族や親族など故人と関わりの深い人だけで行う葬儀です。一般的な葬儀と同様、通夜、葬儀・告別式と2日間かけて行われるのが一般的ですが、事情に合わせて葬儀・告別式のみを1日で行うケースもあります。

通常、葬儀というと親族だけでなく友人や会社関係、ご近所さんまでさまざまな人が参列するイメージがあるかもしれません。

しかし、近年では参列者への対応に追われず、故人とゆっくりお別れの時間を過ごせるとして家族葬を選択するご遺族も増えてきています。なお、家族葬といっても、参列できるのは家族だけとは限りません。生前故人との縁が深く、ご遺族に参列を望まれた場合は、身内以外でも参列が可能です

【家族葬と一般的な葬儀との違い】

参列人数 葬儀費用 訃報を知らせる範囲
家族葬 ~30人程度 100万円前後
※家族葬のひびきなら30.8万円(税込)~
親しい身内のみ、あるいは参列して欲しい人(故人と縁の深かった人など)へのみ知らせる
一般葬 30人~
多い場合は100人~
200万円前後 親族・友人・会社関係・ご近所さんなど、故人と関わりのあった人に広く知らせる

※参列人数や費用はあくまでも目安です。実際は地域や会場、選択するプランによって異なります。

通常の葬儀よりも費用を抑えられる家族葬ですが、それでも100万円前後はかかってしまうのが一般的です。「もっと費用を抑えて家族葬をしたい」というご要望にお応えして、お葬式のひびきでは、相場よりもぐっと費用を抑えた30.8万円(税込)からの家族葬プランをご用意しております。

費用を抑えた葬儀のご相談は「お葬式のひびき」へ。事前のご相談も承っております。

一般(友人、会社、近所)の香典は辞退することが多い

家族葬の場合、一般の方からの香典は辞退しているケースが多いです。というのも、家族葬には葬儀にかかる手間を簡略化することで、ご遺族の経済的・精神的な負担を軽減する側面もあるからです。

「香典を受け取ることでお返しの準備が負担になってしまう」「対応を一律にすることで後々のトラブルを避けたい」といった理由から香典を辞退することもあります。香典辞退を伝えられた場合はご遺族の意向に従いましょう

ただし、すべての家族葬で香典を辞退しているわけではありませんあらかじめ香典辞退の連絡がない場合は、通常の葬儀と同様に香典を持参します。そのうえで、辞退の旨が伝えられた場合には香典を取り下げるといいでしょう。

参列は遺族に求められた場合のみ

「葬儀には香典を包んで駆け付けるのが礼儀」というお考えの方もいるかもしれませんが、家族葬においては必ずしもそれがマナーではありません。なぜなら、多くの家族葬では友人や会社関係、ご近所さんなどからの参列を辞退しているからです。

事前に近親者のみで行う旨の連絡や通知があった場合などは、遺族の意思を尊重し遠慮することが正しいマナーです。

どうしても参列や会葬を希望する場合や、付き合いが深く家族ぐるみで仲良くしていた場合は、事前にご遺族に連絡をとり、可否を確認してみましょう。参列を断られた場合には、ご遺族の意向を尊重します

どうしてもお悔やみの気持ちを伝えたい場合は弔電を送る方法もあります。

家族葬での香典マナー

家族葬での香典マナーは、基本的に一般的な葬儀と同じです。知っておきたい香典のマナーを紹介します。

関連記事:直葬(火葬のみ)の場合の香典マナー│金額や表書き、渡し方を解説 

香典の金額相場と孫にあたる場合の注意

香典の持参金額は故人との関係によって異なります。関係性ごとの相場は以下の通りです。

祖父母・配偶者の祖父母 10,000〜50,000円
父母・配偶者の父母 30,000〜100,000円
兄弟姉妹・配偶者の兄弟姉妹 30,000〜100,000円
おじ・おば 10,000〜30,000円
その他の親戚 3,000〜30,000円
友人・知人 5,000〜10,000円
会社関係 5,000〜20,000円
近所の人 3,000〜10,000円

なお、故人の孫にあたる場合、未成年であれば香典を包む必要はありません。両親に扶養されている場合も同様です。基本的に、香典は1家族ごとに包むものであるため、両親と同居している場合は必要ないという考え方もあります

ただし、孫にあたる場合でも、両親から独立している、働いていて収入があるなどの場合は香典を包むケースもあるため、家族や親族で方針を話し合うといいでしょう。

家族葬では一般葬のように多くの弔問客が来ることはないため、遺族に経済的負担がかかることを考え、親族としては香典を通常の相場よりも多めに入れることがあります。その場合は、相場の上限を参考にするといいでしょう。

香典袋の表書きの選び方

香典袋の表書きは、葬儀の形式ではなく宗派によって異なります。宗派ごとに使える表書きの違いは次の通りです。

仏教(浄土真宗以外) 御霊前
浄土真宗 御仏前
神道 御霊前、御玉串料、御榊料、御神前料
キリスト教

(カトリック)

御霊前、御花料、御ミサ料
キリスト教

(プロテスタント)

御花料、献花料、忌慰料
無宗教・不明の場合 御香典

香典袋(外袋・内袋)の書き方

香典袋はお金を入れる内袋と表書きのある外袋にわかれているのが一般的です。表書きを書く際は黒ではなく悲しみに暮れている意を表す薄墨色を使うのがマナーとされています。

差出人の名前は封筒の下部中央(水引の下)に書きます。連名の場合は代表者の名前を中央に書き、続けて左側に名前を書いていくのが基本です。

一方で、内袋の表面中央には香典として包んだ金額を縦書きで記します。差出人の住所・氏名は裏面の左側に寄せて記入します。

香典を渡すタイミングと渡し方

香典を渡すタイミングは、葬儀に参列するかどうかで異なります。家族葬に参列する場合で、当日受付が設置されている場合は、記帳を済ませてから受付で渡しましょう。受付がない場合はご遺族に手渡しするか、焼香の際に祭壇に供えます。

一方で、参列を断られた場合は現金書留にて郵送するか、後日弔問した際に手渡しましょう。ただし、香典辞退の旨が伝えられている場合、無理に香典を渡すのはマナー違反です。

葬儀後に訃報を知った場合の香典の渡し方

葬儀後に訃報を知った場合の香典の渡し方は、弔問して手渡すか、現金書留で郵送するのが一般的です。家族葬では訃報が広く知らされないケースも多く、葬儀を終えたことを後から知る場合も少なくありません。いずれにしても、事前にご遺族に連絡し、ご遺族の都合や意向を伺ってから動くことが大切です。

弔問を受け入れてもらえた場合は、ご遺族に負担をかけないよう手短に済ませるようにしましょう。

香典辞退を伝えられた場合

事前に連絡し、香典辞退を伝えられた場合はご遺族の意向に従います。訪問の対応やお返しの準備でかえって負担をかけてしまう恐れもあるため、強引に渡すことは避けましょう。何もしないことがご遺族の助けになることもあります

香典を辞退する場合の遺族側のマナー

家族葬では、ご遺族側も香典に関するマナーを押さえておく必要があります。ここからは、ご遺族が知っておきたい家族葬の香典マナーをお伝えします。

「香典を送りたい」と言われたら

香典を辞退しているケースで、香典を渡されたり送りたいと言われたりした場合は、「ご厚意は嬉しいのですが」「申し訳ありませんが」といった言葉を添えて丁寧にお断りしましょう。ただ、お相手から「それでも受け取ってもらいたい」という強い申し出があった場合は、ありがたくちょうだいするのがマナーという考え方もあります。

香典を受け取ったらお返しを

香典を受け取ったら、半額〜1/3程度の金額のお返しを渡しましょう。香典を受け取った場合に備えて、あらかじめ香典返しを用意しておく方法もあります。お返しの品を用意していない場合は、その旨を伝えて後日郵送します。

「香典返しは不要」と言われたら

お返しは不要といわれた場合でも、基本的にはお返しを手配するのがマナーです。ただ、社交辞令ではなく固辞された場合は、お返しを送ると失礼にあたることがあります。お相手の意思が明確な場合には、相場以下のちょっとしたお菓子を送るか、お礼状を送って感謝の気持ちを伝えましょう。

地域によって異なる香典の風習

葬儀や通夜でお供えする不祝儀袋の表書きとしては、仏式の場合には「御霊前」や「御香典」や「御香料」と言った言葉を薄墨色で書くのが一般的です。
(浄土真宗では御霊前は用いません。その場合は「御仏前」)

しかし、群馬県や北関東の一部の地域では、市販されている御霊前(御香典)袋に「新生活運動の趣旨に添ってお返しを辞退いたします」と言う文言が添えて印刷されたものがあります。

群馬県特有の香典│新生活運動とは

「新生活運動」の始まりは、第2次世界大戦の終戦直後の昭和20年〜30年代です。戦後の疲弊した経済の中で、各地でできるだけ儀礼的なお金のやり取りを少額化し、負担を軽減しようという動きがありました。この住民運動のことを「新生活運動」といいます。

その後の経済復興と共に国民生活が安定化すると、この運動は次第に廃れていきました。そのため、現在は群馬県などの一部地域でのみ続いている風習です。

新生活運動に沿った香典の金額・相場

「新生活運動」を利用する場合の香典の金額相場は、1,000円〜多くても2,000円です。この場合、香典返しはないのが前提となります。

「新生活運動」は、ご近所さんや知り合い程度など、故人との関係性が浅い場合に利用されることもあります。

新生活運動の場合は受付の場所に注意

一般的な葬儀では、受付の区分として「会社関係」と「一般」が設けられているケースが多いです。しかし、「新生活運動」の習慣が残っている地域では、その他に「新生活」と明示された受付が設けられています。

「新生活運動」の趣旨に沿って、香典返しが不要な金額を包む場合には、御霊前(御香典)袋に「新生活運動の趣旨に添ってお返しを辞退いたします」と言う文言の記載された香典袋に入れて「新生活」の受付で渡すのが慣習となっています。

家族葬の香典マナーは一般の葬儀と同じ

家族葬だからといって、一般的な葬儀と大きくマナーが変わるわけではありません。ただし、家族葬の場合は「近親者のみでゆっくりとお別れの時間を過ごしたい」「葬儀の負担を減らしたい」といった理由で参列や香典を辞退しているケースもあります。

参列・香典については、ご遺族の意向に従いましょう

群馬県でみられる「新生活運動」のように、独自の香典マナーが存在する地域もあります。

お葬式のひびきでは、地域によって異なる葬儀の仕方などのご相談にも対応しています。また、相場よりも費用をぐっと抑えた30万円台からの家族葬プランや、10万円台からの直葬プランもご用意しておりますので、ご葬儀の費用に関する不安やご相談がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

葬儀のご相談は「お葬式のひびき」へお気軽にお問い合わせください