葬儀の際に必要なことは、基本的に葬儀社が行いますが、親族や知人のサポートが必要な場面もあります。
受付業務もそのひとつですが、業務量が多く責任もあることですので誰に頼むかや、頼まれた側もその対応に悩まれるかもしれません。
こちらの記事では、葬儀受付での返礼品(香典返し)の渡し方や、受付の役割などについて詳細に解説しています。
葬儀の返礼品(会葬御礼)の受付での渡し方
葬儀に参列された方には返礼品(会葬御礼)をお渡しします。
会葬御礼は、葬儀に参列いただいた方全員にお渡しするもので、御礼のお手紙と清め塩と共に1,000円程度の消耗品を準備するのが一般的です。
返礼品(会葬御礼)をお渡しするタイミングは、遺族の意向や葬儀の形式によりますが、受付で記帳されるときに渡したり、葬儀終了後にお渡しするなどがあります。
受付でそれを担うのであれば、葬儀参列への御礼の言葉を添えて丁寧にお渡ししましょう。
当日返しの香典返しがある場合
会葬御礼は、参列いただいた方すべてにお渡ししますが、香典をいただいた方には香典返しをお渡しします。
香典返しは通常、四十九日法要後に品物を贈るのが一般的ですが、都合によって葬儀当日に香典返しをお渡しすることもあります。
葬儀当日に香典返しをするのであれば、香典をいただいた方に会葬御礼と合わせて香典返しをお渡しします。
葬儀の受付係の役割
葬儀の受付係にはいくつかの役割が求められます。
葬儀にはスケジュールがありますので、役割をきちんと把握して流れに沿って上手に対応する必要があるでしょう。
葬儀の受付係の役割についてみていきます。
受付と香典の受け取り
葬儀に参列される方は、まず受付に寄られますので、まず「お忙しい中、ありがとうございます」と挨拶をしてそこで芳名帳の記名を受けます。
芳名帳には住所とフルネームを記載いただき、ご香典があるなら「お預かりします」と言って、それを受け取ります。
香典袋には通常、名前と住所が記載されていますが、中には記載忘れや、名前のみ記載されているなどがありますので、それについても必ず確認してください。
芳名帳と香典袋は、葬儀後に遺族がそれを元に御礼の対応を行うための非常に大切なものです。漏れがないよう丁寧に扱いましょう。
香典袋にはお金が入っていますので、慎重に取り扱い喪主にお渡しするまで確実に預かることになります。
返礼品を渡す
受付では会葬御礼と香典返しをお渡しします。
会葬御礼を渡すときは、参列の御礼の言葉を添えて両手でお渡しします。
香典返しは、当日にお渡しするケースと忌明け後に改めてお渡しするケースとがありますので、遺族の意向に従ってください。
葬儀当日に香典返しを会葬御礼と共にお渡しするのであれば、混同のないよう「香典返しです」と一言添えておくとスマートです。
葬儀の案内
受付係をしていると、参列者から葬儀スケジュールについてや、葬儀会場のことなど質問を受けることがあります。
慌てずお答えできるよう、スケジュールを把握しておくと安心です。
トイレやエレベーターの場所などを訪ねられることがありますので、会場周りの状況を事前に理解しておきましょう。
届け物の取り扱い
葬儀の受付には、弔電や供花が届けられることがあります。
送り主を確認の上、それを受け取り遺族の元に報告します。取り扱いについては遺族の指示に従ってください。
その際に、受付を離れるときは受付が空にならないよう、必ず誰かが残るようにしましょう。
人手が足らないときは葬儀場の方に案内をお願いするなど、柔軟な対処が望まれます。
受付の片付けと報告
葬儀が始まるタイミングで受付は基本的に終了します。
遅れて来られる参列者のために、受付人数を減らして継続することもありますので、遺族の意向に従ってください。
受付終了後は、香典と芳名帳を確認の上、遺族にお渡しして任務は完了です。
葬儀の受付を誰に頼むか
葬儀の受付を誰に頼むかという決まりはありません。
しかし、芳名帳や香典など慎重に扱うべきものを預けますので、遠い親戚や喪主の友人または会社関係の方にお願いするなどが通常です。
葬儀の受付は、不測の事態や混雑に備えて3人程度で行います。
もし、受付をお願いできる人が見つからないのであれば、葬儀社スタッフに相談するとサポートが受けられます。
葬儀の受付係は重責で、煩雑な役割です。お願いするときは丁寧に依頼して、相手の負担ができるだけ少ないよう、配慮すると良いでしょう。
葬儀受付の人への御礼
葬儀には複数の方のサポートによってスムーズに進みます。
葬儀に関わるすべての方に感謝を伝えますが、中でも責任ある受付係を引き受けてくれた方には丁寧に御礼をしましょう。
受付係の方への御礼の方法と詳細についてみていきます。
心付け・御礼の品の相場と渡すタイミング
受付をお願いした方には心付けとしてお金を包むのが通例です。
金額相場は3,000~5,000円程度で、白無地の封筒に入れて渡します。
表書きは「御礼」が一般的ですが、親しい方であれば「寸志」と書くこともあります。
関係性から、現金を渡すことがはばかられるのであれば、御礼の品をお渡しすることもあります。
御礼の品は、お菓子やコーヒー類、お茶など使ってなくなるものを選びましょう。
渡すタイミングですが、葬儀終了後はバタバタと慌ただしく、スレ違いになってしまうことがあります。
御礼を渡しそびれないよう、葬儀前にお渡しすると安心です。
御礼を渡すときは、必ず受付の御礼の言葉を添えましょう。
食事
地域や慣習にも寄りますが、一般に葬儀後は遺族が精進落としと呼ばれる食事を参列者にふるまいます。
受付をお願いした方にもお食事を準備して御礼の気持ちを表しましょう。
葬儀受付を引き受けたときのマナー
葬儀の受付を引き受けたなら、気をつけたいことがあります。葬儀受付のマナーについてご紹介します。
服装
まず服装ですが、男性はビジネススーツではなくブラックスーツで、ネクタイ、靴下、靴も黒で統一します。
装飾や光沢のあるものは、場に相応しくないので避けましょう。
女性は、ブラックフォーマルを着用し黒のストッキングを着用します。
アクセサリーは、結婚指輪と真珠のみ着用できます。ナチュラルメイクで清潔感のある髪型で整えましょう。
挨拶と対応
葬儀の受付では、葬儀ならではの言葉使いや挨拶があり戸惑うかもしれません。
お相手に失礼がないように心がけながら、丁寧に対応しましょう。
心配であれば、一緒に受付をする人に確認しながら進めると安心です。
時間厳守
葬儀に参列される方の中には、早めに行動される方も少なくありません。
受付の都合でお待たせすることのないよう、受付係は時間厳守で動くことが必要です。
万が一、何かの都合で予定時間に間に合わないのであれば、必ず事前に連絡してください。
葬儀受付をするときの準備と対応
葬儀の受付係ならではの準備と対応があります。受付をするときに知っておくべき準備についてみていきます。
参列の仕方
受付係は、受付終了後に葬儀に参列します。そのため、焼香するタイミングを逃す可能性があります。
可能であれば、葬儀開始前に遺族の了承を得た上で、先に焼香を済ませることもひとつです。
遺族によっては、ほかの参列者と同じタイミングでの焼香を望まれることもありますので、いつ焼香をするのかを事前に確認しておきましょう。
気温対策
受付の場所は、入り口付近などが通常のため、冬場は防寒対策が必要です。
女性の場合、日常ではタイツを着用することがありますが、葬儀での着用はマナー違反です。
使い捨てカイロや、温かいインナーを着用するなど、できる防寒に努めてください。
安心・真心の家族はお葬式のひびきにご相談ください
お葬式のひびきでは、ご遺族、故人のご意向に沿ったお葬式を準備しております。
葬儀はもちろん、参列者の対応やアフターフォローなど、それぞれのご事情を鑑みて細やかに対応しますので、安心してお任せください。
突発的なご依頼はもちろん、事前相談も伺っておりますのでご利用下さい。
まとめ
葬儀の受付での対応や、受付をお願いする側、される側の心がけについて解説しました。
葬儀の全般は葬儀社によって執り行いますが、より良いお葬式にするためには、関係の方のご協力が必要です。
役割を依頼された方は、できるだけそれを引き受け、また依頼する側は感謝を持って対応しましょう。
お葬式は故人と過ごす最後の大切な時間です。心残りのないよう穏やかにお過ごしください。