葬儀に参列するときに、まず最初に伺うのは受付です。
葬儀の受付係は一般的に葬儀主催者の関係者が行うもの。
よって、親戚や仕事関係の方のご葬儀ではその担当を依頼されることがあります。
こちらのページでは葬儀の受付を頼まれたときの考え方と実際の対応マナーについて掲載します。
また、葬儀主催者側が受付係をお願いする際のマナーについて解説していますので、合わせてご確認ください。
葬儀の受付係を頼まれたら
葬儀の受付係は一般的に葬儀主催者の関係者が担います。
親戚や会社の同僚などがそれにあたり、もし葬儀の受付係を頼まれたら、できるだけ引き受けるのが望ましいでしょう。
葬儀の受付係には、特別な技術や難しいことはありませんが、葬儀ならではのマナーを守って対応する必要があります。
葬儀で受付係をするときの心得
葬儀での受付係は、葬儀主催者側の代表です。
故人や遺族との関係性を問わず、そこでは弔問を受ける側として振る舞いましょう。
また、葬儀の受付係は一般の弔問客から質問を受けたり、頼まれごとをされることがあります。
それらには丁寧に対応してください。
問い合わせについて、わからなかったり判断がつきかねるときは、「わかりません」と回答するのではなく、葬儀スタッフや遺族に確認してお伝えすると良いでしょう。
葬儀受付係が確認すべきこと
葬儀受付係を頼まれたら、受付が開始するまでに確認しておくべきことがあります。
それぞれについて詳しくみていきます。
葬儀開始より前に到着する
葬儀受付係を引き受けたら、当日は受付開始より早く会場に着いておきましょう。
受付を頼まれたときに、何時くらいに尋ねるのがよいかご確認ください。
特に指示がないのであれば、受付開始の1時間程度前に着いておくのが望ましいでしょう。
葬儀会場で遺族は忙しくしていますので、到着後はすぐに動ける準備をしながら指示を待つことになります。
会場内の把握とスケジュールの確認
葬儀受付が始まるまでに、弔問客の質問や問い合わせを想定して確認しておきましょう。
確認事項としては、以下の通りです。
- 会場内の配置
- 当日のスケジュール
- 葬儀関連行事のスケジュールについて
トイレやクロークの位置を確認し、高齢者や子供連れの方がいる可能性もありますので、一般の弔問客が休めるスペースや控え室についても確認しておくと安心です。
おおよそのタイムスケジュールを聞かれることがありますので、葬儀当日の流れを把握します。
また、同様に精進落としや初七日、四十九日など葬儀に関するスケジュールが決まっているのであれば、それも確認しておきましょう。
香典の扱いや担当者とのやりとりについて
香典の受け取りは受付係の仕事です。
高額なお金を扱うことになりますので、受付を閉めたあと、香典をどなたにお渡しするのかを事前に遺族に確認しておきましょう。
また、受付が始まると喪主や遺族は会場に入るため、何かわからないことや判断すべきことがあってもすぐに尋ねられない可能性があります。
そのような場面で助けとなる担当の葬儀社スタッフが誰なのかを知っておくと安心です。
葬儀受付係の役割と仕事の流れ
葬儀受付係の役割と当日の具体的な仕事の流れについてみていきます。
挨拶
葬儀に訪れた弔問客がまず訪れるのが受付です。
受付係は、来られた方にまずは挨拶をします。
「本日はお忙しい中、お越しいただきましてありがとうございます」
が基本の挨拶。
弔問客からお悔やみの言葉をいただいた場合は、葬儀主催者側の代表として丁寧にお礼を伝えます。
芳名カード・芳名帳
葬儀では弔問客が芳名カードもしくは芳名帳に氏名と住所などを記載し受付に渡します。
芳名記録は遺族が葬儀後のお礼や返礼の品の対応時に使う大切な情報です。
それを受け取るときは、記載内容に漏れがないことを確認してください。
香典を受け取り返礼品を渡す
受付では弔問客からの香典を受け取ります。
「お預かりします」と両手で受け取り一礼して、返礼の品をお渡しします。
香典は後のトラブルを避けるため、受け取った時点で金額と名前が記載されているかを確認するのが通常です。
確認方法については、事前に遺族に意向を尋ねておくと失敗がありません。
受け取った香典は、定めた場所に保管して受け付け終了後にまとめて喪主または遺族に渡すことになります。
尚、喪主が香典を辞退している中、香典を持参する方については、その旨を説明し辞退してください。
会場への案内
受付を済ませた弔問客を会場に案内します。
通常の弔問客については口頭でそれを伝えますが、介助が必要であればほかの受付係に確認した上で、お手伝いすることになります。
受付終了後の片付けと対応
葬儀が開始してしばらくすると、受付は縮小または撤収します。
受付係は、事前の確認に従って、芳名記録と香典をお渡しして、葬儀スタッフの案内に従って葬儀会場に着席します。
葬儀受付係のマナー
葬儀受付をする際は、場面に沿った行動が求められます。
葬儀受付係のマナーについてみていきます。
葬儀受付係の服装
受付係は一般的な喪服を着用します。
男性は黒のスーツに白シャツ。
女性は黒のスーツかワンピースなど。
いずれも靴や靴下、ストッキングも黒で統一してください。
時計やメイクはできるだけ華美にならないよう、清潔でシンプルな装いが望まれます。
葬儀受付での態度と気をつける点
葬儀受付係は弔問客の目に付きやすい存在です。だらしない態度や、私語は控えるようにしましょう。
スマートフォンなどはマナーモードにして、基本的にはカバンにしまっておきます。
故人の大切なお別れの場であることを心において、丁寧に対応するのが望ましいといえます。
葬儀受付中に弔問客の対応や、トイレなどで一時的に離席する可能性があります。
そのときは、ほかの受付の人に声をかけてから持ち場を離れるようにしてください。
受付が空になることがないように気を配ることが大切です。
言葉使い
葬儀では、忌み言葉とされる使用してはいけない言葉があり、受付係もそれに注意する必要があります。
弔事での忌み言葉は、重ね言葉や直接的な言い方、不幸が続くことを連想させる言葉など。
具体的には、「重ね重ね」「引き続き」「死ぬ・生きる」などで、ほかにも故人の死因に関する話しなどもタブーです。
また、葬儀受付では言葉のトーンにも注意しましょう。
明るい声や大きな声は場に相応しくありません。落ち着いて静かに話すのがマナーです。
葬儀主催者側の代表であることを意識する
葬儀の受付係は、一時的に頼まれたものであったとしても、一般弔問客からは葬儀を主催する側の人と見られます。
弔問客からお悔やみを受けたり、何かを尋ねられたときは、弔問を受ける側としての対応が必要です。
弔問客と遺族との両者に失礼のない振る舞いをしましょう。
葬儀受付を誰に頼むべきか
次に葬儀受付係を頼む遺族側のマナーです。
葬儀の受付を誰に頼むかは、特に決まったマナーはありません。
親族や頼みやすい知り合いにお願いするのが一般的で、従兄弟や親類、会社の方などが考えられます。
受付係の人数は2~3人が望ましく、それぞれに事前に打診して葬儀受付の1時間程度前に来てもらえるようお願いしておくと安心です。
責任ある仕事をお任せすることになりますので、できるだけ丁寧に依頼やお礼を伝えることで心が伝わります。
葬儀受付係へのお礼
葬儀受付係をお願いした方にはお礼をお渡しします。
一般的には3,000円~5,000円程度で、白い封筒に「寸志」と書いて人数分を用意します。
現金を渡すのがはばかられる場合などは、同額程度の品物を渡すこともあります。
地域の風習があるのであればそれに従ってください。
いずれの場合も、受付終了後にお礼の言葉を添えてお渡しします。
受付係がみつからないときの対応
葬儀の受付係がみつからないケースや、親類・知人に頼まないケースであれば受付の人を雇って対応することができます。
その場合は、利用する葬儀社に相談するか、自分で受付代行の会社を頼むことになります。
受付代行の利用には費用が発生しますので、必要な場面に合わせて上手に依頼するとよいでしょう。
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葬儀やそれに関連する行事についてのご相談を伺っていますので、何なりとお尋ねください。
安心と真心で心残りのないお葬式のお手伝いをいたします。
まとめ
葬儀の受付係の役割やマナーについてご紹介しました。
葬儀は基本的に葬儀社が対応しますが、関係者が協力すべき場面も複数あります。
そのひとつが受付。受付係を頼まれたのであれば、できるだけ引き受けるようにしましょう。
葬儀での受付は、拘束時間がそれなりにあり責任もある役割です。
依頼する遺族側は感謝の気持ちを忘れないことが大切です。
関係する人みんなで協力し合って、故人をお見送りすることが何よりの供養となるでしょう。