お葬式コラム

2018.06.28

直葬(火葬のみ)における葬儀のマナーや考え方の例

直葬

これまでの葬儀といえば、故人に繋がりがある方々を招いて行われることが一般的でしたが、最近は家族葬や親族とごく近しい方だけで行う小規模な葬儀も年々増えてきています。その中でさらに通夜や告別式を行わずに火葬のみを行う直葬という新しい葬儀のかたちがメディアを通じて広まってきています。

直葬が増えた背景は、

  • 通常の葬儀は経済的な負担が遺族にとって大きいため、予算を抑えたい
  • 葬儀に伴う手続きをする肉体的・精神的負担が多く、負担を減らしたい
  • 故郷から離れて長年が経過しており、故人の周囲の方々とほとんど面識がない
  • 宗教にとらわれない無神論者が多く、故人・遺族ともにこだわりがない

といった現代的な経済や人間関係の観点が影響しています。

直葬は形式的な儀礼を省いた火葬のみと大幅に簡略化されていますが、故人を見送る葬儀の一つということは忘れてはいけません。
直葬における葬儀のマナーや考え方についても理解した上で臨むことで、満足のいく葬儀が実現できます。

服装は喪服でなくても問題ない?

元々、喪服は一般的な葬儀を行うために礼服として着用するものですので、身内だけの家族葬や火葬のみの直葬といった通夜や告別式のように周囲の目がない葬儀では、マナーとしては問題ないとも言えます。しかし、やはり直葬は小規模な葬儀であっても、遺族が揃い故人を偲ぶ特別な場となりますので、華美な服装や私服は避けた方が良いのではないでしょうか。喪服ほどしっかりしていなくても黒っぽい服装やスーツで身だしなみを整えて臨んでいただいた方が良いでしょう。

弔電や弔問、香典は辞退してもよいのか?

弔電とは、故人へのお悔みの気持ちを伝える電報であり、故人の訃報を受け取ったときに事情があって葬儀に参列できない方が弔電を送ることがあります。通常の葬儀であればありがたく受け取るものですが、直葬は様々な事情があって選択した葬儀のため、弔電や弔問、香典の対応が難しい場合があります。

訃報を伝える際にあらかじめ直葬を選択したことと一緒に弔電・弔問・香典を辞退する旨も合わせて伝えておくとスムーズです。

ただし、もし伝え忘れてしまった方がいて弔電・香典が送られてきた場合には、通常の葬儀同様受け取る・香典返しを行う、弔問があった場合は迎え入れるなど、通常の葬儀と同じく対応するのが良いでしょう。

喪主はいなくてもよいのか?

喪主の葬儀における役割は、葬儀の準備や通夜・告別式での参列者への挨拶、葬儀後の対応となりますので、直葬の場合は行うことが少ないため、喪主は絶対に必要ではありません。ただ葬儀会社と打ち合わせを行なったり、訃報を知らせるといったことは最低限のことはする必要があるため、形式上決めておいた方が滞りなく進められます。もし、喪主が決まらない場合でも遺族の中から代表者や窓口となる人や支払いは誰が行うのかを決めておいた方が良いでしょう。

戒名(法名・法号)は必要か?

戒名(法名・法号と呼び方は宗教により異なる)は仏の世界での故人の名前となります。無宗教の立場でいえば不要なものですが、位牌に刻まれるものとなります。

位牌は故人の

  • 戒名(法名・法号)
  • 没年月日
  • 俗名
  • 行年(享年)

が記されるものですので、戒名なくしては位牌を作ることができません。
葬儀後に自宅の仏壇やお寺の位牌壇に安置して供養を行いたい場合は戒名を僧侶につけてもらいましょう。
ただし、戒名は菩提寺の僧侶から受け、葬儀も含めてお経をあげてもらうのが基本となります。
もし菩提寺に戒名だけをお願いする場合は、可能かどうかの確認のためにも直葬を行うことについて相談しておきましょう。

お墓はどうしたらよいのか?

近年は、山に納骨する樹木葬や海に骨をまく海洋散骨などお墓に納骨する以外の方法も増えてきています。必ずしもお墓を建てる必要はありません。特に直葬は、余分な費用をかけない、お墓参りになかなかいけないといった事情で選んでいる方も多いので、故人を思う気持ちがあれば樹木葬や海洋散骨といった新しい方法も選択肢としてはあるのではないでしょうか。

ただし、直葬後に通常の葬儀同様に菩提寺のお墓に納骨をしたいという場合には、埋葬を断られる場合もありますので事前に相談しておきましょう。

直葬でわからないことがある・迷う場合は、葬儀会社に相談する

ここまでで、一般的な葬儀では当たり前のことですが、簡略化された直葬ならでは考え方やマナーをいくつか例にして挙げました。直葬や家族葬はまだ歴史が浅いため、従来の葬儀では親や兄弟、目上の方に聞けばわかったことがわからず不安になってしまうかと思います。

そのような場合は、家族葬・直葬実績が多数ある葬儀会社に相談すると明確な答えが得られる可能性があります。家族葬や直葬を専門としている葬儀会社では様々な実例を手がけてきていますので、相談をしていく中で自分たちの場合はどうすれば良いのかの指標を見つけられます。