お葬式コラム

2018.07.25

日本の葬儀の法律を分かりやすく解説 | お葬式は絶対にしないといけないの?

直葬

日本では葬儀に関する法律が定められていますが、あまり詳しく認知されていないのも事実です。

 

「お葬式は絶対にしないといけないものなの?」

「お墓がない場合はどうしたらいい?」

「墓地埋葬法について詳しく知りたい」

 

上記のような疑問を持つ方に向けて、本記事では次の内容を詳しく紹介していきます。

 

  • 日本で土葬が減った理由と火葬の義務化について
  • 墓地埋葬法の内容や違反の罰則について
  • 葬式の必要性と葬儀をしない理由
  • お墓がない・いらない場合の対処法

 

いまさら聞けないお葬式の法律やお墓がない場合の対処法まで詳しく紹介していきますので、ぜひ最後まで目を通して参考にしてみてください。

 

日本の法律で火葬は義務化?土葬が減った理由と火葬しない法律

日本の火葬率はほぼ100%と言われていますが、決して義務化されているわけではありません

0.01%程度ですが、日本でまだ土葬を行っている人もいます。

 

ここでは火葬の一般化や土葬が減った理由、火葬しない法律について紹介していきます。

火葬や土葬の法律について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

日本はなぜ土葬から火葬になったの?火葬の一般化や土葬が減った理由

現在の日本でも法律上で土葬が禁止されているわけではありませんが、土葬を禁止しているエリアや寺院・霊園が圧倒的に多いため、実現は難しいとされています。

土葬の歴史は長く、縄文時代から始まり明治時代初期までは主流とされていました。

 

明治時代になって伝染病が蔓延したことによって「墓地、埋葬等に関する法律」が制定され、環境衛生などの問題から条例で土葬を制限されたことため火葬が主流となった理由と言われています。

また、現代社会では狭い国土事情によって、土葬する際の広いスペースが確保できないことも理由のひとつとされています。

 

火葬して骨だけ残るのはなぜ?

土葬に比べて広いスペースを確保せずに埋葬できる火葬ですが、遺骨だけが残るのは火葬場の職員がのぞき窓から骨だけ残った段階で火葬を一旦中止するからです。

ご遺体の性別や年齢、個体差によっては火葬の時間や温度を調整しなければなりません。

 

火葬方法は「ロストル式」「台車式」と呼ばれる2種類の方法があります。

現在は、ご遺骨がきれいに残りやすい「台車式」が広く普及しています。

 

日本で土葬は法律違反?土葬の可不可と火葬しない法律

日本の法律上で土葬が完全に禁止されているわけではありませんが、自宅の敷地内に勝手にご遺体を埋葬してはいけません。

「墓地、埋葬等に関する法律」では、墓地以外の区域で埋葬は行ってはいけない、市町村長の許可を受けなければならないと定められています。

 

キリスト教やイスラム教では土葬が主流となるため、宗教によって土葬を選ぶ場合は、山梨県や岐阜県、茨城県や宮城県などの土葬が可能な一部の地域を探す必要があります。

火葬などの一般的な埋葬をしないで自宅などに放置しておく行為は、死体遺棄罪に問われてしまいます。

 

墓地埋葬法とは?違反の罰則や法律の内容を徹底解説

墓地埋葬法は1948年に定められた墓地や火葬場、納骨堂などの管理運用に関係する法律です。

埋葬や火葬をする際のルールに関する法律ですが、内容をしっかり把握している人が少ないのも事実です。

 

ここでは墓地埋葬法について、法律の内容を徹底解説していきます。

覚えておいて損のない内容となっていますから、ぜひ目を通してみてください。

 

そもそも墓地埋葬法って何?基本的な法律の内容について

墓地埋葬法とは、大きく分類すると「埋葬・火葬をする際のルール」「墓地や納骨堂などの管理・経営者側のルール」の2つに分かれています。

墓地埋葬法は法律を定めることで衛生面や個人の宗教感情などの問題をクリアにして、故人を安心して弔うことを目的として作られています。

覚えておきたい代表的な墓地埋葬法は、下記を参考にしてみてください。

 

  • 墓地埋葬法第3条:火葬は死後24時間を経過しないといけない
  • 墓地埋葬法第4条:埋葬や焼骨の埋蔵は墓地以外でしてはいけない
  • 墓地埋葬法第5条:火葬する際には火葬場に「火葬許可証」を提出する必要がある
  • 墓地埋葬法第9条:死体の埋葬や火葬を行う者がいないと判断された場合は死亡地の市町村長が行わなければならない
  • 墓埋法第9条第2項:第9条の規定により埋葬・火葬を行ったときは、その費用に関して行旅病人及び行旅死亡人取扱法の規定を準用する
  • 墓地埋葬法第13条:墓地・納骨堂・火葬場の管理者は、埋葬や火葬の求めを受けた際に正当の理由がなければ拒んではならない

 

墓地埋葬法違反をすると罰則がある?知っておくべき注意点

墓地埋葬法に違反した行為をした場合は、下記のような罰則が用意されています。

 

  • 都道府県知事の許可を受けずに管理・経営した場合:6ヶ月以下の懲役又は5,000円以下の罰金
  • 死亡後24時間以内に火葬した場合や許可なしに埋葬や火葬を行った場合:1,000円以下の罰金又は拘留

 

日本で土葬は禁止されていませんが、土葬する場合も市町村長の許可が取れている地域に埋葬しなければなりません。

火葬を行わず死体を放置しておくことは「死体遺棄罪」に問われます。

 

お葬式は義務?葬式の必要性と葬儀をしない理由

日本ではこれまでお葬式を行うのが当たり前だと認識されていました。

しかし、日本にはお葬式をしなければならないという法律もなく、義務化もされていません

 

近年ではお通夜や告別式なども一切行わない、ご遺体を直接火葬場に運んで火葬する「直葬」も増えています。

ここではお葬式の必要性と葬儀をしない理由について、詳しく解説していきます。

 

そもそもお葬式はしないといけないの?葬式の必要性や実施の割合

そもそもお葬式は誰のためのものなのか?という疑問に関しては、一概に答えを出せるものではありません。

「故人のため」「ご遺族のため」と考えるのは、それぞれ自由です。

 

故人が生前に望んでいた形でお葬式を行いたい、ご遺族自身がしっかりしたお葬式を行ってあげたいと考えるのも正解ですが、お葬式を執り行うことだけがお見送りする方法ではありません

現代社会にてお葬式を行う割合と種類は、以下を参考にしてみてください。

 

  • 一般葬:9%
  • 家族葬:9%
  • 一日葬:2%
  • 直葬・火葬式:9%

 

お葬式はしない!火葬だけだといくら?

現代社会ではお通夜や告別式などの葬儀を一切しない「火葬式(直葬)」を希望される方が増えています。

公営の火葬場と民間の葬儀社で行う火葬式の相場は、下記をご覧になってみてください。

 

  • 公営の火葬場:10万円以下
  • 民間の葬儀社:20~40万円

 

ドライアイスや寝台車などを使用した場合は、別途料金が必要になることもあります。

公営の火葬場を使用する際には、地域の住民票を取得していなければいけないことを覚えておきましょう。

 

親の葬式はしないと法律違反?葬儀をしない・葬式に出ない理由

たとえ親子関係であっても葬式を行わないといけない法律はありません。

ただし、親が亡くなった場合は、死亡届を提出するという義務があります。

親と同居していた際には、さらに遺体を埋葬することも義務付けられています。

 

また、親と疎遠になっていたり、親子関係が良くなかったりする場合は、ご遺体の引き取りを拒否する権利が設けられています。

この場合は、お葬式が執り行われても必ず出席しなければならないという法律はありません。

 

親の葬式に出席しない理由は人それぞれですが、本当に自分が後悔しないかどうかは考える必要があるでしょう

今後の親戚付き合いや遺産相続でトラブルになってしまう可能性も出てくるので、出席するかしないかはじっくり検討する必要があります。

 

親の葬式代は誰が出す?

兄弟が複数人いる場合やそれぞれの金銭的事情によって問題になりやすいのが、親の葬式代を誰が出すかについてです。

一般的には故人の配偶者や長女・長男など喪主になる方が費用を負担します。

 

ただし、喪主になる人について、明確な決まりや法律はありません。

兄弟での話し合いや親族などの支援が必要となる場合もあります。

 

葬式が疲れるのはなぜ?

お葬式が一般的に疲れると言われる理由は、大切な人を亡くした悲しみの中で慣れないお葬式の準備を進めなければならないからです。

また、参列者にも気を使わなければいけないため、気遣いといった面でも精神的に「葬儀疲れ」を感じてしまいます。

 

葬儀に参列した場合は、ご遺族に配慮して手短に挨拶を済ませた方がよいです。

ご遺族と故人の思い出について話したい際は、しばらく時間を置いてからにしましょう。

 

引き取り手のない遺体はどうなるの?お墓がない・いらない場合の対処法

孤独死が問題視されている日本で、引き取り手のない遺体はどうなってしまうのでしょうか。

お墓は高額ですから、必要ないと感じている世帯も多くなっています。

 

これらの疑問を抱いている方に向けて引き取り手のない遺体がどうなるのか、お墓がない・いらない場合の対処法について解説していきます。

お墓について悩んでいる方は、ぜひ今後の参考にしてみてください。

 

無縁仏って何?引き取り手のない遺体の対処法や保管期間

葬式や供養を執り行う親族や親戚がいなくなった故人を埋葬するお墓を「無縁仏」と呼びます。

親族や親戚がいてもご遺体の引き取りを拒否された場合は、無縁仏として扱われます。

 

一定期間は行政や管理者によって無縁仏のお墓が管理されますが、期間を過ぎてしまうと合祀や合葬といった形でまとめて供養されることになります。

最終的に無縁仏は他の方の遺骨と一緒に埋葬されるため、誰の遺骨か判別できなくなります。

 

お墓がない!遺骨の対処法や永代供養について

ご先祖のお墓がない、お墓が用意できない場合は、永代供養と呼ばれる霊園や寺院などがご遺族に代ってご遺骨を管理・供養してくれます。

お墓を持つ必要はなくなりますが、霊園や寺院に永代供養の費用を納めなければなりません。

 

永代供養の費用はお墓の種類や供養の内容によって大きく異なり、10万円~150万円ほどが相場とされています。

お墓の種類は「単独墓(個人墓)」「集合墓」「合祀墓(共同墓)」の3種類に分かれています。

 

お墓がいらない場合はどうするべき?お墓を持たないときの対処法

家庭の諸事情によっては、お墓が持てないという人も増えています。

お墓がいらない・お墓を持たないときの対処法は、下記を参考にしてみてください。

 

  • ゼロ葬:火葬後に遺骨をご遺族が持ち帰らない葬儀
  • 手元供養:遺骨を自宅に保管して供養する方法
  • 散骨:山や海に遺骨を撒く方法
  • 樹木葬:樹木の周辺に遺骨を埋葬する方法
  • 合祀墓:他人の遺骨と一緒に納骨する合同墓地
  • 納骨堂:建物の中に遺骨を納めるお墓

 

それぞれお墓を持たない形で供養できますが、方法によって費用が異なります。

受付している霊園や寺院も限られているため、必ず事前に可能かどうか調べておきましょう。

 

「お葬式のひびき」では火葬式や各諸事情に沿ったご提案とお手伝いをご提供いたします

日本には「墓地埋葬法」という墓地や火葬場、納骨堂などの管理運用に関係する法律が定められています。

法律と聞くと難しく感じますが、内容を理解すればさほど難しいことは書かれていません。

 

あくまでも故人を安心して弔うことを目的として作られている法律です。

葬儀を執り行うことやお墓を持つことも決して法律で義務付けられているわけではありません。

 

諸事情によっては火葬式のみや家族葬、一日葬といった選択肢もあります。

 

「お葬式のひびき」では、お客様の諸事情に沿ったご提案とお手伝いが可能です。

火葬式をはじめとするさまざまなプランをご案内いたしますので、お気軽にお問合せください。

 

お葬式のひびきに問い合わせる