この記事では、火葬式について知っておきたい以下の内容を紹介します。
- 他の葬儀スタイルとの違い
- 費用相場と内訳
- 服装・香典・収骨のマナー
費用の安さや手間が少ないことから人気の火葬式ですが、一方で押さえておきたい注意点もあります。
「火葬式のデメリットは?」
「お別れの時間はどのくらいあるの?」
「火葬式以外に費用を抑えてお葬式ができるプランはないの?」
などの疑問にもお答えしていますので、火葬式に興味のある方や、詳しい注意点が気になる方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。
火葬式とは
火葬式とは、通夜や葬儀・告別式を行わずに、火葬のみを行う葬儀スタイルです。「直葬(ちょくそう)」は火葬式を言い換えたもので、ほとんど同じ意味で使われます。
ただし、葬儀社によっては必要最低限の葬儀を「直葬」、直葬に納棺の儀やお別れ用のお花、読経、遺影写真などをプラスした葬儀を「火葬式」と明確に区別している場合もあるので注意が必要です。
近年は葬儀に対する価値観、宗教観が多様化され、次のようにさまざまな葬儀のスタイルが誕生しています。
【葬儀スタイルによる内容の違い】
通夜 | 葬儀・告別式 | 読経 | お別れの時間 | |
---|---|---|---|---|
火葬式 | – | – | △ | △(5分程度) |
一日葬 | – | 〇 | 〇 | 〇 |
家族葬 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
一般葬 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
上記の通り、火葬式は最もシンプルな葬儀のスタイルです。
葬儀に時間や費用をかけられないといった理由から、葬儀そのものを省略し、火葬だけで故人を見送るスタイルが支持を集めるようになりました。特に首都圏では年間の葬儀件数の内、20%弱が火葬式を選択しています。
なお、火葬式と間違われやすい葬儀のスタイルに「密葬(みっそう)」があります。
密葬と火葬式の違いは、後日「本葬(ほんそう)」を行うかどうかです。密葬は多くの参列者が見込まれる場合に利用される葬儀のスタイルで、まずは身内だけで葬儀を行い、日を改めて式やお別れ会を行います。
火葬式が選ばれる3つの理由
さまざまな葬儀スタイルのなかから、火葬式が選ばれる3つの理由を紹介します。
①費用が安い
火葬式はその他の葬儀スタイルに比べて費用が安いです。最低限の内容であれば、一般的な葬儀にかかる費用の10分の1程度に抑えられることもあります。
そのため、以下のような方から選ばれています。
- お葬式に費用がかけられない
- 参列者が数名しかいない
- 故人が生前に火葬式を希望している
近年では、生前から自分の葬儀について決めておく方が多く、残された家族への心理的・経済的な負担を軽くしたいというお気持ちから、火葬式を選ぶ方も増えています。
②時間がかからない
火葬式はその他の葬儀スタイルに比べて時間もかかりません。
一般的な葬儀は、通夜と葬儀・告別式の2日間かけて行われます。遠方から参列する場合は連泊したり、仕事をしている場合は最低でも2日間の休みを取ったりする必要があるでしょう。
火葬式であれば1日で済むうえ、多くの場合は半日程度で終了します。
③気兼ねなくお別れできる
火葬式は近親者のみで行われるため、参列者に気兼ねすることなくお別れできます。
葬儀のようにマナーが問われる場面では、失礼のないふるまいに気を取られるばかりに、お別れに集中できないケースも少なくありません。
気心の知れた身内同士であれば、リラックスしてお別れに臨めるでしょう。
火葬式の費用
ここからは、火葬式の費用相場と内訳を詳しく解説します。
火葬式の費用相場
火葬式の費用相場は20万円~50万円程度といわれています。
一般的な葬儀にかかる費用がおよそ200万円といわれているため、火葬式を選択すれば、かなり費用を抑えられるでしょう。
ちなみに、葬儀スタイルによる費用相場の違いは次の通りです。
葬儀のスタイル | 費用相場 |
---|---|
一般葬 | 150万円~200万円程度 |
家族葬 | 100万円程度 |
1日葬 | 100万円以下 |
火葬式 | 20万円~50万円程度 |
火葬式が安い理由は、式場の使用料や設営費、祭壇の設置費用などをはじめとして、一般的な葬儀にかかる多様な項目をカットできるからです。
また、僧侶に読経をお願いしない場合はお布施も必要ありません。参列者が数名に限られているため、返礼品や精進落としを用意する場合でも、通常より費用が抑えられるでしょう。
火葬式の費用内訳
一般的な火葬式の費用内訳は、「基本料金」、「火葬場使用料」、「棺・骨壺代」、「その他の費用」の4項目です。それぞれの内容を紹介します。
基本料金
基本料金に含まれる内容には、たとえば次のようなものがあります。
- 人件費
- 各種届出(死亡届・火葬届)の手続き代行費
- (安置所から火葬場までの)霊柩車代
上記は一例です。基本料金に含まれる内容は、葬儀社によって異なるので注意しましょう。
火葬場使用料
火葬場使用料は「火葬をするための費用」と、火葬を待つ間の「待合室の利用料」です。場合によっては火葬中の飲食接待費がかかるほか、火葬場によっては指定の骨壺があり、その費用がかかるケースもあります。
火葬場には、自治体が運営する「公営斎場」と、民営企業が運営する「民営斎場」があります。公営斎場は、故人または喪主が市民であれば割安で利用可能です。
火葬料は火葬場ごとに定められており、費用の目安は公営の場合で数千円〜5万円程度、民営の場合で5万円〜15万円程度です。
棺・骨壺代
火葬式であっても、ご遺体やご遺骨を納める棺(ひつぎ)と骨壺(こつつぼ)は必要です。基本料金に含まれているケースも多いので確認してみましょう。
なお、棺や骨壺には、色やデザインなどさまざまな種類があります。故人様らしいデザインを選ぶこともできるので、希望がある場合は葬儀社に聞いてみるといいでしょう。
その他の費用
上記以外にも、状況によっては次の費用が発生する可能性があります。
- ドライアイス代
- 安置所の利用料金
- 遺影写真一式の費用
- お別れ用の生花代
- お布施(読経を依頼する場合)
「お葬式のひびき」の火葬式プラン
群馬県前橋市の葬儀社「お葬式のひびき」では、相場よりも価格を抑えたリーズナブルな火葬式プランをご用意しております。
きわめてシンプルな内容であれば、11万円(税込)のご葬儀が可能です。
また「必要最低限ではさみしい」と感じる方や「埋葬場所の不安がある」という方に向けた別のプランもご用意しております。
どのプランも相場より安い価格でご利用いただけます。火葬式が気になる方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
基本のプランをもとに、お客様ひとりひとりのご状況やお考えに沿ったお見積りをご提案いたします。
火葬式の流れ
ここからは、火葬式の流れを紹介します。
ご逝去から当日までの流れ
お電話をいただければ、葬儀社のスタッフが病院や施設、ご自宅まで故人様をお迎えにあがります。その後、ご自宅や安置施設にて、ご遺体をご安置します。
ご自宅での安置が難しい場合は、お葬式のひびきの安置施設へのご案内も可能です。
火葬式当日までに葬儀の打ち合わせ、火葬許可証の発行手続きなどを行います。手続きは葬儀社が代行するのが一般的です。
火葬式当日の流れ
火葬式当日の流れは次の通りです。
1.納棺・出棺
ご遺体を棺に納めて、霊柩車で火葬場へ移動します。火葬場ではお別れの時間がほとんどとれないため、故人様とゆっくり対面できる最後の時間となります。
なお、喪主は霊柩車に同乗して移動するのが一般的です。車種によって乗車可能人数が異なりますが、2名以上乗れるタイプもあります。乗り切れない場合は、自家用車やタクシーなどを利用することになるでしょう。
2.最後のお別れ
火葬場に到着したら、葬儀社スタッフが受付を行ったのち、火葬炉の前で最後のお別れとなります。お寺様に読経をお願いした場合は、このタイミングで行います。
3.火葬
火葬にかかる時間は、1〜2時間程度と火葬場によって異なります。火葬中は待合室で待機することになりますが、人数が少ない場合はロビーで待つこともあります。
火葬中の飲食ルールは、斎場によって異なるため、事前に葬儀社に確認しておきましょう。食事が可能で参列者に精進落とし(しょうじんおとし/お清めの食事)をふるまうケースもあれば、軽い飲食のみしか許可されていないところもあります。
4.収骨
火葬を終えると収骨(しゅうこつ)となります。
収骨とは、ご遺骨を骨壺に納めることです。
収骨を終えると、埋葬時に必要となる「埋葬許可証」が渡されるので、なくさないように注意しましょう。多くの場合は、骨壺を納める箱に一緒に入れておいてくれます。
なお、遺骨の引き取り手がいない場合は、事前に申し出ることで遺骨を受け取らない選択も可能です。
5.散会
収骨を終えたら解散となります。
火葬式に参列する服装
火葬式に参列する場合も、一般的な喪服を着用します。男性、女性、子ども・学生にわけて、火葬式の服装を紹介します。
男性の場合
無地のブラックスーツが一般的です。ワイシャツは無地の白、ネクタイ・靴下・靴は黒を選びます。柄物や光沢のあるものは避けましょう。
女性の場合
フォーマルな黒のスーツ、ワンピース、アンサンブルなどを着用するのが一般的です。バッグ・ストッキング・靴なども黒で揃えましょう。ハンカチは黒または白とされていますが、落ち着いたデザインであれば問題ありません。
結婚指輪以外のアクセサリーを着用する場合は、真珠の一連ネックレス、またはイヤリング(ピアス)に限ってはよいとされています。
子ども・学生の場合
子どもや学生の場合は、制服があればそれを着用します。学生の制服は、色やデザインに関わらず葬儀の場にふさわしい「礼服」として認められています。
高校生以上で制服がない場合は、大人と同様の服装にすれば間違いありません。
赤ちゃんや幼児の服装は、身内のみの火葬式であれば、それほど厳密にする必要はないでしょう。黒っぽいコーディネートにするか、落ち着いた色やデザインの服を選べば非常識にはあたりません。
火葬式の香典マナー
ここからは火葬式の香典マナーを紹介します。
火葬式の香典相場
火葬式の香典相場は、一般的な葬儀と同じです。
ただし、火葬式は一般的な葬儀に比べて費用がかからないので、以下に紹介する相場の下限を参考にしてもいいでしょう。
祖父母・配偶者の祖父母 | 1万〜5万円 |
---|---|
父母・配偶者の父母 | 3万〜10万円 |
兄弟姉妹 | 3万〜10万円 |
おじ・おば | 1万〜3万円 |
その他の親戚 | 3千円〜3万円 |
香典を渡すタイミングと渡し方
通常、香典は「受付」で渡すことが多いですが、火葬式の場合は受付が設置されていないことが多いです。そのため、基本的には喪主に手渡しすることになるでしょう。
香典を手渡すタイミングに決まりはありません。喪主に挨拶をするタイミング、火葬中、収骨後など、喪主の様子をみながら、落ち着いたタイミングで渡します。
袱紗(ふくさ)から香典袋を取り出し、お悔みの言葉を添えて手渡しましょう。
香典を辞退している場合
火葬式では、香典を辞退しているケースも多いです。
遺族に香典辞退の意向がある場合は、それに従いましょう。強引に渡してしまうと、香典の管理やお返しの用意などで、かえって負担になる恐れがあります。
火葬式の香典については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:直葬(火葬のみ)の場合の香典マナー│金額や表書き、渡し方を解説
火葬式の収骨(骨上げ)マナー
収骨は、喪主を先頭として関係の近い順に、専用の長い箸を使って2人1組で行います。
一巡を終えたら、あとは火葬場のスタッフが引き継いで収骨を行うケースが多いです。しかし、収骨の作法に関しては地域や火葬場ごとにルールが異なるため、スタッフの指示や地域の慣習に従いましょう。
たとえ骨を落としても、慌てず落ち着いてやり直せば問題ありません。
火葬式で後悔しやすいポイント
費用が安く短時間で済む火葬式ですが、注意点もあります。ここでは、火葬式で後悔しやすい4つのポイントを紹介します。
①お別れの時間が短い
火葬式は、お通夜や葬儀・告別式を行わないため、逝去から火葬までの時間が短いのが特徴です。また、火葬炉前のお別れの時間も5分程度しかとれません。
葬儀の場面で、親族は様々な対応に追われ、ゆっくり故人とのお別れをする時間もないことが多いので、葬儀後に「こんなにあっけないもので良かったのか」という気持ちが後からこみ上げてくる方もいます。
②数名しか参列できない
火葬式に参列できるのは3~10名程度です。親族以外の人が故人との別れを惜しむ機会がないので、通夜や告別式をやって欲しかったと寂しがられるかもしれません。故人の友人、知人には前もって、火葬式で葬儀をする旨を連絡しておくといいでしょう。
③安置場所の確保が必要
日本の法律で、ご臨終後24時間以内に火葬をしてはいけないという決まりがあります。
したがって、病院や施設から直接火葬場に向かい、火葬を行うことは法律上できません。お亡くなりになられた後、最低24時間が経過するまでは、ご自宅や安置施設などのご遺体を安置する場所の確保が必要になるのです。
安置は葬儀社に依頼します。移動に使用する車(寝台車)の手配や、ドライアイスの処置も任せられます。
④菩提寺とトラブルになる場合も
菩提寺と付き合いのある方が無断で火葬式を行った場合、お墓への納骨を断られてしまうケースがあります。
お寺の中には、読経を行わない葬儀を認めていないところもあります。火葬式を行う際は、必ずお付き合いのある菩提寺に、事前に確認を取りましょう。
火葬式以外で費用を抑えた葬儀スタイル
火葬式の安さに惹かれるものの、「お別れの時間をしっかりとりたい」「菩提寺との関係を悪くしたくない」などの理由から、ためらわれている方もいるでしょう。
火葬式以外にも費用を抑えてお葬式をする手段として、「家族葬」や「一日葬」があります。
火葬式と家族葬、一日葬の違いは次の通りです。
参列者 | 通夜 | 葬儀・告別式 | |
---|---|---|---|
火葬式 | 近親者のみ | – | – |
一日葬 | 制限なし | – | 〇 |
家族葬 | 近親者のみ | 〇 | 〇 |
家族葬、一日葬については、以下で詳しく解説します。
家族葬
家族葬は、近親者のみで行う葬儀スタイルです。一般葬のように広く参列者を招かない分、飲食接待費や返礼品にかかる費用が節約できます。
費用相場は100万円程度といわれています。
参列者は、数名~最大でも30名程度です。家族以外にも、故人と特別に縁の深かった方が、家族にお願いされて参列するケースもあります。
関連記事:家族葬の費用相場│内訳や価格を抑えるポイントを解説
一日葬
一日葬は、通夜を行わずに葬儀・告別式のみを1日で行う葬儀スタイルです。通夜を行わない分、時間や費用の節約につながります。
参列者は家族葬のように近親者のみに限定されておらず、故人や家族の希望によって参列する方の範囲を決められるのが特徴です。
費用相場は80万円~100万円以下といわれています。
「お葬式のひびき」の家族葬プラン
お葬式のひびきでは、家族葬と一日葬をミックスしたリーズナブルなプランをご用意しております。家族葬、一日葬の費用相場は100万円前後ですが、お葬式のひびきなら30.8万円(税込)~の低価格で葬儀が可能です。
費用が安いだけではなく、お客様に寄り添った丁寧なサポートも心がけております。
「本当はきちんとお葬式をあげたい」「しっかりお別れの時間がほしい」と考えながらも、費用の面で諦めていた方は、ぜひお葬式のひびきにお問い合わせください。
心残りのないお別れは「お葬式のひびき」にお任せください
火葬式には「費用が安い」「時間がかからない」といったメリットがある一方、親族や菩提寺とトラブルになる可能性や、故人と過ごす時間が少なくお別れに後悔が残るかもしれないなどの注意点があります。
火葬式を選択する際は、デメリットを理解し、事前に周囲の了解を得てから行うといいでしょう。料金だけで選ばずに、葬儀の内容をしっかりと確認することも大切です。
また、費用を抑えて葬儀を行うなら、家族葬や一日葬という選択肢もあります。
「お葬式のひびき」では、火葬式をはじめとして家族葬や一日葬のお手伝いも可能です。お客様の事情をお伺いして適したプランをご案内いたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。